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映画「イコライザー」感想:ホームセンターへの愛が感じられる作品

作品情報

監督:アントワーン・フークア

なお、本作には続編があります。

評価

☆☆☆(最高評価は☆5つ)

※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

 本作は、シリアスなストーリーのダークな作品かと思っていましたが、最後まで見てみるとスカッとする娯楽作品だったと感じました。

 物語の最初は、ダークで洗練された雰囲気で、見ていてとてもワクワクしました。眠れない男が夜中レストランに行き、老人と海を読み始める。そこで初対面の娼婦の女が問う。

もう釣り上げた?(He catch that fish yet?)

 ここのくだりが、なんともおしゃれな雰囲気で良いですね。

 そして、本作で一番好きなシーンがこのシーン。

ロバート「歌手のアリーナか(Oh, wow, Alina, the singer)」
アリーナ「あなたと私は、本当の私を知っているわ(You and I know what I really am.)」
ロバート「君は何にでも なれるんだ(I think you can be anything you want to be.)」
アリーナ「多分、あなたの世界ではね、ロバート。私の世界ではそうではないけど。(Maybe in your world, Robert. It doesn't really happen that way in mine.)」
ロバート「世界を変えるんだ(Change your world.)」

ロバートが、否定的なアリーナに対して、ノータイムで世界を変えるんだと答えるのが、本当に格好良いです。

 こういう雰囲気で続いていくのか、良いなーと思っていたら、いきなり始まるロバート無双。その場のものを使ってどんどん敵を蹴散らしていきます。ちょっと期待していたのとは違いますが、こういう爽快な映画も好きです。

 爽快感は、映画のテンポの良さによっても、一層高まっていきます。同僚が強盗に指輪を盗まれ、ロバートがハンマーを持ってどこかに行った次のシーンで指輪が戻ってくるとか。トイレに行った敵の血まみれのサングラスを持って、ロバートがマッコールの目の前に座るシーンとか。ただ、いくらテンポが良いと言っても、パソコンで石油タンカーの情報を仕入れた直後にそのタンカーを爆破したのは笑ってしまいました。そんなのありかよと。

 ただ、この映画いくつか欠点もありました。1つが、ラストのホームセンターで敵を撃退するシーン。今まで、敵をテンポよく蹴散らしていたのに、ホームセンターのシーンになると一気に展開が遅くなります。わざわざホームセンターの商品を使わなくても、敵の死体から奪った銃を使えば一瞬で敵を倒せるのになー、若干中だるみしているなーと思って見ていました。まあ、監督のホームセンター愛が凄いのでしょうね。

 もう1つは、敵の頭がそれほど良くないことです。深夜のレストランでロバートを生け捕りにしようとするシーンでは、後から追跡するくらいであれば、さっさとロバートを捕まえてしまえばよかったのにと思います。周りの目が気になるのであれば、変装するなり、適当な人間を雇えば良かったはずです。また、ホームセンターで人質を取った状態で、素直にロバートが石油タンカーが爆発した跡地に来ると考えるのも不自然です。それなら、下手に戦力を分散させず、ホームセンターでロバートを迎え撃つと行った方法も取れたでしょう。

 まあ、こんなに細かいことを考えてもしょうがない作品なのでしょうね。多少モヤモヤするところはありますが、アクションや物語のテンポが良くて、爽快な作品でした。