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フルサイズ一眼レフのメリット・デメリット・注意点・感想

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はじめに

 本稿では、フルサイズ一眼レフを買ってみようか悩んでいると言う方に向けて、フルサイズ一眼レフのメリット・デメリット・注意点について書いていきます。あとフルサイズ一眼レフを使ってみた感想も書きます。

 フルサイズ一眼レフは、APS-Cの一眼レフの上位互換ではなく、得意不得意があります。それを踏まえた上で記事をご覧いただけると幸いです。

メリット

ダイナミックレンジが広く画像編集がしやすい

 フルサイズ一眼は、センサーサイズが大きく、「デジタルカメラがとらえることができる、明るい部分から暗い部分への再現可能な幅」すなわちダイナミックレンジが広いです*1。カメラが幅広い明るさを捉えられるため、階調再現が優れた画質の良い写真になると同時に、RAW画像を画像編集した場合に暗い部分を明るくしたり、明るい部分を暗くしやすいです。

ノイズ耐性が高い

 フルサイズはセンサーサイズが大きいため、撮像素子が受け取る光の量が大きくなりやすいです。そのため、ISO値を上げて高感度で撮影しても、ノイズが発生しにくいです。結果、暗い場所でも写真を撮りやすくなります。また、ISO値を上げることでシャッタースピードを上げられるので、速いスピードで動く物体も捉えやすくなります。

 ノイズの量の差については、以下の記事が参考になります。

ASCII.jp:フルサイズ一眼「EOS 6D MarkII」とAPS-C一眼「EOS 80D」、高感度と階調はどれだけ違う!? (1/3)

ボケやすい

 フルサイズ一眼は、センサーサイズが大きいので、他のカメラと比べてボケやすいです。逆に言えば、はっきりと写る範囲がAPS-Cよりも狭いということでもあり、撮影者によってはデメリットにもなり得ます。

 ボケやすさについては、以下の記事が参考になります。

【キヤノン公式】一眼レフカメラ・ミラーレスカメラの「フルサイズセンサー」ってなに?カメラのセンサーサイズによる違いを解説|カメラ初心者教室

より広角に写る

 APS-Cのカメラは、フルサイズのカメラとセンサーサイズが違うため、同じレンズを使っていても焦点距離ニコンなら1.5倍、キャノンなら1.6倍になります。そのため、フルサイズカメラの方がより広い範囲を写すことができます(APS-Cのカメラは狭い範囲しか写せない代わりに、遠くの物体をより大きく撮影することができます。)。

 ただ、APS-Cのカメラでも焦点距離の短いレンズを使えば、かなり広角に撮ることができます。例えば、ニコン焦点距離が10-20mmのAPS-C用のレンズを販売しており、このレンズの焦点距離はフルサイズ換算しても15-30mmと十分に広角です。

 撮影できる範囲については、以下の記事が参考になります。

【キヤノン公式】一眼レフカメラ・ミラーレスカメラの「フルサイズセンサー」ってなに?カメラのセンサーサイズによる違いを解説|カメラ初心者教室

カメラ自体が重いため重いレンズとバランスが取りやすい

 フルサイズ一眼は大きくて重いため、重いレンズを装着した場合にはバランスを取りやすいです。

所有欲が満たされる

 フルサイズ一眼は、APS-Cよりも大きくて存在感があり、かつ価格も高いため、所有欲が満たされることがあります。

デメリット

価格が高い

 基本的に、フルサイズのカメラは高いです。また、レンズ自体もAPS-C専用のものと比べて高くなる傾向にあります。

大きく重い

 基本的に、フルサイズの一眼レフやレンズは大きくて重くなります。例えば、ニコンAPS-Cの一眼レフであるD5600は465gであるのに対し、ニコンのフルサイズ一眼レフであるD750は840gであり、かつD5600よりも大きいです。

遠くのものを撮りづらい

 APS-Cのカメラは狭い範囲しか写せない代わりに、遠くの物体をより大きく撮影することができます。そのため、APS-Cのカメラと比較すると、フルサイズのカメラは遠くの物体は撮りづらいです。

注意点

先に撮影法・画像編集について学ぶ

 写真は、カメラだけでなく、レンズ・撮影法・画像編集によっても変わります。撮影法を学ぶこと、画像編集の方法を学び画像編集ソフトを利用することで、お金をそれほどかけずに、写真を劇的に変えることができます。正直なところ、この2つに投資したことがなく、フルサイズカメラを買うお金があるのであれば、これら2つにお金を投資すべきです。その方が、よっぽど良い写真が撮れるようになります。

 写真の撮影法については、全く勉強したことがない方については、とりあえず以下の二冊を読むと良いでしょう。

写真構図のルールブック

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写真の露出・光・色のルールブック

写真の露出・光・色のルールブック

  • 作者:近藤 伍壱
  • 発売日: 2013/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 また、画像編集については、カメラメーカーが提供している無料のものを使うのも良いですが、多くのカメラマンが使っているLightroomPhotoshopを使ってみることをお勧めします。画像編集の速さ、使いやすさ、表現の幅が無料のものと比べて段違いなので。

フルサイズのカメラを買う決断は早めにする

 レンズの中には、APS-Cのカメラのみに対応しているレンズがあります。そのため、レンズを沢山持っていても、フルサイズのカメラに使えず、レンズが無駄になる場合があります。また、APS-Cのカメラのアクセサリー(予備バッテリーなど)をフルサイズカメラに使えず、無駄になる場合もあります。

 そのため、いずれフルサイズ一眼レフを買うつもりがあるのであれば、レンズやアクセサリーをたくさん揃える前にフルサイズ一眼レフを買ってしまった方が、結果的に安く済みます。僕は、予備バッテリーとAPS-C専用のレンズを2つ購入してからフルサイズ一眼を買ったので、早めにフルサイズ一眼を買えばよかったと少し後悔しました。ただ、フルサイズ用のレンズを買う分には特に問題が生じないので、迷っている方はフルサイズ対応のレンズを買うようにした方が良いかと思います。

ミラーレスカメラも検討する

 フルサイズ一眼レフは、大きくて重いというデメリットがあります。このデメリットは、フルサイズのセンサーを搭載したミラーレスカメラであれば(少なくとも一定程度)解消されるものです。そのため、フルサイズ一眼レフを買おうとしている方でも、一度フルサイズミラーレスカメラも検討してみると良いでしょう。

 ミラーレスに移行しようとする場合には、性能に優れたソニーのαシリーズが最有力となるでしょう。

 今までソニー以外のカメラを使っていて、新たにαシリーズを買う場合、レンズやアクセサリーを全て買い換えることになりかねません。ミラーレス一眼レフを買おうと考えている方は、尚更早めに決断した方が、結果的に安くつく可能性があります。

感想

 僕は、様々なメリットデメリットを比較してフルサイズ一眼レフを買うか否かかなり迷いました。僕がフルサイズ一眼レフを買う決め手となったのは、僕は写真を趣味としているわけだし、買う資金もあるのだから、一度フルサイズ一眼レフを試すのも悪くないと思ったことです。

 実際にAPS-Cのカメラからフルサイズ一眼レフに変えてみると、ISO値を上げやすいため、暗所・建物内などより多くのシチュエーションで撮影が可能になり、非常に良かったです。また、ダイナミックレンジが広いため、画像編集の幅も広がったように思います。その一方で、ボケ具合や撮影範囲の広さについては、レンズによるところも大きいので、様々なレンズを揃える必要があると感じました。

 デメリットについて言えば、危惧していた重さ・大きさについても次第に慣れてきて、むしろAPS-Cのカメラが小さく軽すぎるような印象すら抱くようになりました。まあ、疲れてきたときにはずっしりと重いと感じることはあるのですが。また、遠くのものが撮りづらいことについても、基本的に僕は望遠よりも広角レンズが好きなこともあって、それほど気になってはいません。

 結局のところ、フルサイズ一眼レフは撮影できるシチュエーションが大幅に増えると同時に、画質も向上するので、フルサイズを持ち歩く体力があり十分な予算があるなら買わない手はないかと思います。自分も、フルサイズを買うまでは悩みましたが、実際に買って使用してみると、非常に便利で本当に買って良かったと思いました。

 ただ、フルサイズ一眼レフはかなりの値段がするのは事実ですし、レンズもAPS-Cよりも高くなります。また、カメラを変えるよりも撮影や画像編集の技法を覚えた方が写真が良くなる可能性が高いです。それらについてちゃんと勉強していない人であれば、先にそれらを勉強することをお勧めします。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D850 ブラック

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  • 発売日: 2017/09/08
  • メディア: エレクトロニクス