本やらなんやらの感想置き場

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デイミアン・チャゼル「The Stunt Double」感想

作品情報

youtu.be

なお、本動画にはアップルにより"Shot on iPhone by Damien Chazelle – Vertical Cinema"とのタイトルが作られています。

なお、本作にはメイキング動画が存在します。

www.youtube.com

評価

☆☆☆(最高評価は☆5つ)


※以下は本作のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

本作は、ストーリー自体はかなり簡潔でしたが、縦構図が非常に効果的に使われていて見ていて面白い作品でした。

ストーリーは特筆するほどのない、クラシックなものでした。ビルから飛び落ちるシーンでトラブルが起こり、スタントマンの主人公は今際の際にかつて演じたシーンを走馬灯として目にする。最後に、同僚の美女により助けられてハッピーエンドと、非常に分かりやすいものでしたね。

本作を面白いと思わせたのは、やはり縦構図の使い方でした。今まで、縦構図を使った動画作品を見たことはほとんどありませんでした。だからこそ、本作で使われている魅力的な構図の数々は非常に興味深いものでした。

高さを意識させる使い方をしたり、正面から天井に向けて撮ったり、横長の物をあえて90度回転させて撮ったり、股下から相手を捉える構図を撮ったり。どこかで見たことがある様な映画のシーンの数々も構図を変えるだけでこんなに雰囲気が変わるものなのかと驚きましたね。

私自身は、写真が趣味ということもあり縦構図自体は結構使っています。ただし、本作の方がアスペクト比的に横が短く、そこをうまく使うのは写真を取るよりも難しそうな印象を受けました。本作は、ストーリーというよりも映像を見せる作品だったので縦構図だけでもうまいこと映像を作れたのだと思いますが、普通の作品を縦構図で撮るとなるとかなり難しそうです。

映画における横幅の広いアスペクト比の偉大さを感じた作品でした。ただ、チャレンジがなければ発展もない以上、この様な実験的な作品がもっと増えて欲しいなと思いました。