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新川直司「四月は君の嘘」第1巻感想:切なさが、止まらない。

作品情報

四月は君の嘘(1) (月刊少年マガジンコミックス)

四月は君の嘘(1) (月刊少年マガジンコミックス)

 本作には、本編の他に短編集があります。本作を気に入った人は是非買うべきかと思います。

 また、公式ガイドブックや小説版もありますが、読んだ感想としてそこまでおすすめできるものではありませんでした。

 なお、本作はアニメ化映画化されました。

評価

☆☆☆☆☆(最高評価は☆5つ)
※以下は全巻のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

 本作は、最後まで読んで、思わず涙してしまうような美しい物語でした。あまりに素敵なお話だったので、全巻読んだ後にそのまま最初から読み直しました。そこで、今回は全巻の内容を踏まえた上で、公生とかをりの関係を中心に、1巻の感想を書いていきたいと思います。

 最初に公生がかをりと会うシーン。公生は美和の言葉を思い返します。

「彼と出会った瞬間 私の人生が変わったの」
「見るもの 聞くもの 感じるもの 私の風景 全部が カラフルに色づきはじめたの」
「世界が 輝きだしたの」(46-50頁)

 これは、かをりに出会った公生の気持ちを暗示すると共に、昔かをりが公生に出会った時のことも示しているんでしょうね。そして、ずっと好きだった人のそばにいれることになって、流した嬉し涙。小さい頃からのかをりの公生に対する気持ちを考えると、心がジーンとしました。

 そして始まる、公生ではなく渡のことが好きだという「四月の君の嘘」。なんでかをりはこんな嘘をついたのかと思いましたが、公生は好きだけど椿がいるし近づけないとか、公正を傷つけたくないという気持ちとか、残り少ない人生で恋をしてみたかったとか、女性からモテる渡であれば、いずれ死んでしまう自分と一緒にいても、そこまで傷つかないだろうかとか、色んな気持ちがあったんでしょうね。でも、そんな嘘が公生を連れてきてくれました。

 その後のコンサートのシーン。この頃から一貫して、かをりは公生を復活させるために献身的に動いているんですよね。自分の世界をカラフルにしてくれた公生を助けるために。「私の音楽届くかな……」(94頁)というかをりの演奏前の独白も、「私の音楽が公正に届くかな」という純粋な気持ち、恐れが表れていたんでしょうね。

 演奏が終わって、公生に演奏の感想を聞くシーン。ずっと想いを寄せていた人に、初めて自分の演奏を聴いて感想をもらえるシーン。手が震えていたのも、自分の演奏が公正に響くかという恐れがあったのでしょうね。憧れていた人に褒めてもらえた時のかをりの満面の笑みがたまりません。

 初めて学校で公生がかをりと会うシーン。一緒にデートするシーン。かをりが公生を伴奏者に任命するシーン。どこまでもかをりは前向きに、人生を楽しみ、公生を助けようとしています。「友人A君を私の伴奏者に任命します」(172頁)このシーンは、公生と演奏するという夢が叶う喜びが溢れていますよね。

 かをりの公生に対する気持ちを知った後だと、バスの中でかをりがふっと笑みを浮かべた後に「椿ちゃんは有馬君が好きなんだね」と言ったシーンがものすごく切ないです。(190頁)公正に近づけても所詮は叶わぬ恋なのだと諦めが出ているように思いました。

 そして1巻最後の公正を叱咤激励するシーン。そして、公生に「くじけそうになる私をー支えて下さい」と頼むシーン。(210頁)この部分は、自信満々のかをりなんで泣いているのかと初読時は訝しんだものですが、たぶん、もう命が長くなくて絶望にくじけそうになる私を助けてほしいという、かをりの本心が表れているんでしょうね。そこでやるよと答える公生。この時のかをりは本当に嬉しかったんでしょうね。

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