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小川一水のおすすめ作品5選

はじめに

 僕が一番好きなSF作家である、小川一水さん。その作品のうち、おすすめの5作品を紹介したいと思います。

 小川一水さんの作品は、短編から長編まで魅力的なものが非常に多いです。何も考えないでおすすめすると、作品を選びきれなくなってしまいます。それだと本記事の意味がないので、5作品に絞りました。

 今回は、その5作品を、様々なお好みに合わせて作品を紹介していきたいと思います。

 なお、特にお好みがないのであれば、一番下の天冥の標を強くお勧めします。現在、まだ未完の作品ですが、すでに僕の中で一番好きなSFシリーズです。

※本サイトの小川一水さんの感想記事はこちら。
小川一水 カテゴリーの記事一覧 - 本やら映画やらなんやらの感想置き場

小川一水のおすすめ作品5選

小川一水さんの本を初めて読むなら─「アリスマ王の愛した魔物」

 本作は、小川一水さんの最新短編集です。小川一水さんが2010~12年にかけて書いた作品が4つ、書き下ろしの作品が1つ掲載されています。

 本作は、短編集であって、非常に読みやすい作品が揃っています。そのため、小川一水さんの入門としてぴったりの作品です。

 その中でも、特におすすめなのが、4作目の「星のみなとのオペレーター」です。僕が今まで読んだことのある小川一水さんの作品の中で、一番最初に読んでもらいたい作品を1つだけ挙げるなら、迷わず本作を選びます。

 宇宙港の管制官の日常を描いた同短編は、柔らかく語り口で非常に読みやすいです。そして、80頁近くに過ぎない作品であるにも関わらず、あれよあれよという間に、他の作品にも負けないくらい、非常に壮大なお話になります。小川一水さんのすごいところが濃縮された作品です。

 また、他の作品も面白いだけでなく、考えさせるような作品が多く、本作品集は初めて小川一水さんを読む方に非常におすすめです。

 本作は、短編集で結構さくっと読めるので、小川一水さんのすぐ読める作品を探している方にもおすすめです。ただ、内容の濃縮具合は、小川一水さんの作品の中でもトップクラスに高い作品が多いです。

※本ブログの本作のネタバレ感想はこちら
小川一水「アリスマ王の愛した魔物」 - 本やら映画やらなんやらの感想置き場

短いけれど壮大な物語を読みたいなら─「時砂の王」

時砂の王

時砂の王

   時砂の王は、小川一水さんの時間SF長編です。本作は、邪馬台国の女王・卑弥呼が、2300年後の未来からやってきたオーヴィルと出会うところから始まります。オーヴィルは、未来の世界で人工的につくり出された人型の存在で、人類を殲滅しようとする謎の機械群から人類の危機を救うために、様々な時代で敵と戦いながら卑弥呼のいる248年までやってきました。

 このあらすじを聞いた段階では、歴史上の人物である卑弥呼がでてくるなんて、かなりユニークな作品だなと若干不安に思いました。しかし、さすがは小川一水さん。逆にこの設定が、現実の地球の歴史を遡りながら進む本作の物語に説得力を与えています。

 また、本作は300頁弱の作品ながら、壮大にお話を展開した上で、回収されるべき伏線を芸術的と言えるほどの手腕で全て回収するという、読んでいて極めて気持ちいい作品です。

※本ブログの本作のネタバレ感想はこちら
小川一水「時砂の王」 - 本やら映画やらなんやらの感想置き場

主人公達が特に魅力的なシリーズを読みたいなら─「復活の地」

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

 復活の地は、小川一水さんのSFシリーズで、全3巻の作品です。そのタイトルの名の通り、レンカ帝国を襲う大災害とその復興を描いた作品です。

 本作は、非常に主人公が魅力的なんですよね。主人公の1人であるセイオは、同国の官僚で同国の復興のために、自らの全てを犠牲にする勢いで復興のために尽力します。その姿が非常にかっこ良いのです。彼は、僕の憧れるキャラクターの1人です。

 もう1人の主人公は、皇女であるスミルです。スミルは、しっかりとしているように見えるキャラクターなのですが、まだ年若いということもあって、本当の意味での強さ、タフさというのが最初はありません。そんな彼女が成長していく様が、非常に楽しみになる作品です。

 この二人の主人公が協力しながら物語を盛り上げています。

 また、本作の主人公であるセイオは官僚であるということもあって、かなり政治的な駆け引きが繰り広げられます。その部分も、本作の魅力の1つですね。

歴史のロマンを求めるなら─「導きの星

導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

 本作は、僕が小川一水さんの作品、ひいてはSFというジャンルそのものが好きになるきっかけとなった、非常に思い入れのある作品です。全4巻です。

 この作品では、異星人(表紙の左上のウサギみたいな動物です)とその異星人を観察する役職である監察官・辻本司、そして彼を支援する3体のアンドロイドを中心に織りなす物語が語られます。

 本作の何が歴史のロマンを駆り立てるかというと、異星人が歴史を作り出していく過程にあります。本作品では、主人公が減刻睡眠によってどんどん後の時代へと進んでいき、様々な時代の異星人と交流することになります。その過程で異星人が狩猟採集時代、金属器勃興時代、貿易航海時代と、どんどん技術を発達させながら歴史を作り出していくんですよね。そして、過去の時代に出会った登場人物の子孫が、後の時代の重要人物になったりして、歴史の面白さを堪能できます。

 なお、異星人というと何かいかついイメージがありますが、表紙の左上に書いてあるかわいらしい動物なので、感情移入しやすいです。ただ、気性は人類同様、結構えげつないところがあります。

 また、物語もゆるふわな感じで進むのではなく、時代が進歩するにつれて、どんどんとシリアスに、どんどん壮大になっていきます。  

最高の作品群を読みたいなら─「天冥の標」

天冥の標 ? メニー・メニー・シープ (上)

天冥の標 ? メニー・メニー・シープ (上)

 本作品は、小川一水さんの作品の中で、一番長大で、一番面白く、一番心に残っている作品です。全10巻の予定で、最終巻は今年2018年に発売される予定となっています。

 このシリーズについては、2014年にSFマガジンで行われたオールタイムベストで、未完結であるにも関わらずSF国内長編部門の6位に選出されるなど、すでに日本のSFを代表する作品群であるとの評価もあります。  

 このシリーズは、一巻一巻が独立しており、その一冊一冊だけで読んでも、何の小説では決して太刀打ちできない面白さです。そして、シリーズを読み続けていくうちに、どんどん伏線が張られ/回収され、どんどんと一本の大きな物語が進んでいきます。

 僕が引っ越しでたくさんある本の中から1シリーズしか本を持っていけないとするならば、必ずこのシリーズを選ぶでしょう。今まで読んだどんな作品群よりも、面白くて大好きな作品です。

 まだこのシリーズを読んでいない方は幸運です。これから最高に面白い作品を、何冊も何冊も読むことができるのですから。想像をはるかに超えた壮大で素晴らしい物語の数々が、あなたを待っています。

 なお、第1巻は様々な伏線が張られる巻で、若干とっつきにくいところがあります。そのため、第1巻があまり好きではなかったという方でも、とりあえず3巻までお読みになると良いかと思います。絶対に、このシリーズが好きになると思うので。

 そんな時間はとれない、とりあえず一冊読みたいという方が居れば、パンデミックものが読みたければ第2巻「救世群」から、スペースオペラが好きならば第3巻「アウレーリア一統」から先にお読みになると良いかと思います。上記の通り、各巻は独立しているので、3巻くらいまでならいきなり読み始めても大丈夫です。 

天冥の標? 救世群

天冥の標? 救世群

※本ブログの天冥の標のネタバレ感想一覧はこちら
小川一水「天冥の標」感想記事まとめ - 本やら映画やらなんやらの感想置き場

まとめ

 いかがでしたでしょうか。本記事があなたのお役に立てれば幸いです。

 また、本ブログでは小川一水さんの様々な作品について感想記事を書いているので、もしよければそちらもどうぞ。
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