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「ローマの休日」感想:完璧。

作品情報

ローマの休日(字幕版)

ローマの休日(字幕版)

  • メディア: Prime Video

監督:ウィリアム・ワイラー

評価

☆☆☆☆☆(最高評価は☆5つ)

※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

 今回、初めてローマの休日を視聴した。ずっと気にはなっていたけれど、なんとなく見てこなかった作品。映画といえばカラーでしか見たことのなかった若い世代の私にとっても、本作の魅力は十二分に伝わってきた。

 まず、オードリー・ヘプバーンが美しすぎる。本作のオードリーを見た瞬間に、心が奪われた。「ティファニーで朝食を」のオードリーも素敵だったが、本作のオードリーはより一段と輝いて見えた。モノクロだからこそ余計なものが削ぎ落とされ、オードリーの魅力、ユーモラスな表情がダイレクトに伝わってきて、最高だったと言う他ない。こんなオードリーを目の前にして冷静に演技ができた役者陣には、尊敬の一言しかない。

 また、グレゴリー・ペックの渋さも良い。全てを預けられるような大人の魅力に溢れていて、将来こんな男になりたいと強く願ってしまうほどの格好良さだった。オードリーをベッドから長椅子に移し、また長椅子からベッドに移すというコミカルなシーンでさえも、ダンディな男の魅力を醸し出せるのは、脱帽でしかない。

 この二人の見せる演技は素晴らしく、自分も物語が進むにつれて嬉しくなり、切なくなった。天真爛漫に飛び回るアン王女とそれを大人の魅力で寛容に受け止めるジョーの二人は、とても微笑ましかった。この映画を見た皆が思ったことだろうが、一度こういう恋愛がしてみたいなあ。

 二人の演技は、最後の記者会見のシーンが白眉だった。周りには悟られないけれど、二人だけには通じ合う表情。そんな表情を浮かべた二人の顔を見て、心が打たれた。そして、グレゴリーが一人で帰るラストシーン。並外れた演技だった。アン王女との関係は諦めるしかないと思っていても諦めきれない表情を見て、グッと胸にきた。

 その他の登場人物たちも人間味に溢れていた。カメラマンのアーヴィングや美容室の店員など、現実にいそうな人々たち。彼らの一人一人に、本作を何度も見返したくさせる魅力があった。

 本作のストーリーも良い。最初は挨拶の途中に足をいじったり、駄々をこねたりたりと子供っぽかったアン王女が、新聞記者のジョーと出会う。今までの願いを叶えるような1日を過ごし、宮殿へと戻ったアン王女の気品のある姿!驚きとともに、納得感があった。本作は、一人の子供が現実を受け入れ大人になる姿を、良く描いていると思う。

 加えて、演出面も抜群だった。特に、構図が良い。本作では、鏡を用いた複雑な構図など、見終わった今でもありありと思い出せるような印象的な構図がたくさんあった。そのような構図の妙も、本作が名作たる所以なのだろう。

 映画を見終わって、幸せな余韻に浸っている。本作は、まさに完璧な作品だった。本作という傑出した作品が作られたこと、それを現代で見ることができたことは、まさに僥倖だった。

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